昭和の初めの別府の正月

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昭和の初頃の別府の正月は楽しかったな
三が日は幕張った大玄関から 豊後漫才(*1)が次々に来て
 又春駒(*2)も来るし
 映画館の楽士の一団が君が代を吹奏して来るし
千客万来と賑やか

年末にハトロン封筒百枚を二ッ切りにした手製のお年玉も残り少なく も少し作るか等相談する
小寒に入ると寒行の禅僧の寒念佛(*3)が聞えて 冬の風物詩も色どりが変ってくる

(*1)豊後万歳:国東半島が発祥だそうです
(*2)春駒:はるごま。 年の始めに、馬の頭の作り物を持ち、戸ごとに歌ったり舞ったりした門付芸人。
  またその歌。
(*3)寒念仏:かんねぶつ。 寒中30日の間、山野に出て声高く念仏を唱えること。
     後には、寒夜に鉦をうちたたいて仏寺に詣で、
     または有縁の家や付近の地を巡幸することとなった。



《雑記》

昭和初期の正月風景はまだまだ賑やかで楽しそうですね。
亡母の姉が別府にいたので、別府で正月を迎えた時の思い出でしょう。
私が子供の頃はここまで賑やかではなかったですが
それでも正月は特別なものでした。

買物だ、おせち料理だ、掃除だ、障子の張替だ、餅つきだ~

やっと元日の朝を迎え

雑煮と重箱のおせち料理を楽しみ

家族でカルタ取り

日頃はお腹を空かせていても
正月だけはお餅とみかんは食べ放題!


なにより食べることが幸せに感じた戦後の子供でした。

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