男ってしょうがない野郎だ
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大正時代の有毛(*1)はまだ村だった
八幡が工業都市として賑はってきたのでよい販賣先が出来たとばかり 朝の三時四時というのに野菜を積んで 帰りは肥料を集めて来るという日課
今日も予定通り皆揃(ソロ)って牛車をひいて提灯つけて出かけたのに 午後の日がかたむいたが一向に帰ってこない
夕飯の仕度も出来た 日が暮れたと嫁女は戸口を出たり入ったり 悪い予感に落付かない
やっととぼとぼ重い足どりの一行の姿を村はずれまで出迎えて驚いた
死んだ牛を車にのせて葬列のような有様
口口に問いただせば答えはこうだ
その朝の野菜が思いの外の高値に気をよくした男たち
唐田町(*2)の女郎屋(*3)で昼飯の相談一決 朝から妓を侍らせて好い機嫌
そろそろ帰ろうかと牛を繋いでいた市場の広場へ行って驚いた
腹のへった牛達 傍にあった大豆の袋を食い破って 食べたわ食べたわ 堅い大豆を存分に食べたので胃の中で膨張
苦しみもがいて死んだのもいた始末
市場の人の中に気が付いた人も居たが 牛が恐くて近寄れないという
それから大豆代を弁償したり迷惑を詫びたりの大失敗の一日だったそうな
男ってしょうがない野郎だ
八幡が工業都市として賑はってきたのでよい販賣先が出来たとばかり 朝の三時四時というのに野菜を積んで 帰りは肥料を集めて来るという日課
今日も予定通り皆揃(ソロ)って牛車をひいて提灯つけて出かけたのに 午後の日がかたむいたが一向に帰ってこない
夕飯の仕度も出来た 日が暮れたと嫁女は戸口を出たり入ったり 悪い予感に落付かない
やっととぼとぼ重い足どりの一行の姿を村はずれまで出迎えて驚いた
死んだ牛を車にのせて葬列のような有様
口口に問いただせば答えはこうだ
その朝の野菜が思いの外の高値に気をよくした男たち
唐田町(*2)の女郎屋(*3)で昼飯の相談一決 朝から妓を侍らせて好い機嫌
そろそろ帰ろうかと牛を繋いでいた市場の広場へ行って驚いた
腹のへった牛達 傍にあった大豆の袋を食い破って 食べたわ食べたわ 堅い大豆を存分に食べたので胃の中で膨張
苦しみもがいて死んだのもいた始末
市場の人の中に気が付いた人も居たが 牛が恐くて近寄れないという
それから大豆代を弁償したり迷惑を詫びたりの大失敗の一日だったそうな
男ってしょうがない野郎だ
(*1)有毛:現在の北九州市若松区有毛
大正時代は島郷村の一部だったようです。
(*2)「唐田町」のように見えますが、よくわかりません。
(*3)女郎屋:じょろうや。遊女をかかえておいて、客に遊興させることを業とする家
《凡人の雑感》
どこで聞いてきた話?
そして
本当に有った話???
当時は八幡製鉄所ができて急速に人口も増え、近隣の農家も景気が良くなったのでしょう。
そんな様子を皮肉っての話なのかも知れません。
これは大失態と云うべきものでしょうが
だれでも気のゆるみ、油断、不注意などでの失敗は色々とあります
しかし、これは女郎屋で遊んだことが
『男ってしょうがない野郎だ!』
につながったのでしょう😉
でも
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