入院中の病室の窓から

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ねえねえ あの向う岸の男性 もう長い事川の流れをしゃがみ込んで見てるのよ
身投げするには川は浅いし 上水道も断水する程水涸れの年だけどあゝして長い事居ると気になるのよ

人通りの少ない川端で何の為にあゝしているのかな
気にかかる人だな

あゝ彼女と待合せていたのね

病室の窓外も退屈しないものね と隣のベッドより声あり

国道三号線から町道に曲った所の淋しい場所に 工事会社の事ム所があるのでトラック等の駐車場とされる空き地がアッケラカンと広がっている

朝は事ム所も多忙だが 私達こちらの川岸の病院も 検温だ 朝食だ 点滴だと窓外を見るひまはない

夕方 見舞い客も来ないし 退屈になった頃 工事々務所に人が集まり始め トラックと崖の間の狭い空地に男が五六人並んで立つのを不思議に思って目をこらして見つめたら

アッ
病院の窓からま正面に 立ちション 川に向かって



《メモ》

昭和53年(福岡渇水の年)のころの入院中の病院の窓からの眺めです。
病院の前を流れる川、とても入水自殺できるような川ではありません😜

そして昔はよく見ていた「立ちション」も最近はさすがに見かけなくなりました。
・・・と思ったら
私も数日前、団地の公園の隅でオジサンの立ちションを始めました。

私は犬の散歩中なので気づかないふりをして通り過ぎようとしたのですが
オジサンあわてて~ 歩き始めたようです。

『大丈夫だったのかな ズ・ボ・ン』


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