大好きな話

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大好きな話

息子に嫁を貰ったそうな
幾年月が経つうちに嫁の実家の家運がかたむき家計が不如意になった時 嫁はゴボー一本 葱四五本と姑や夫に内密に実家へはこぶ小さな秘密を作ってしまい 之を小姑に見付られ 姑に耳打ちされてしまった
姑は腹を立て 嫁を究明すべく友達に相談に行った
友人曰く
嫁を泥棒とよべば どういう事になるか
世間の人はあそこの嫁はどろぼうそうな
そんならそんな嫁をもらったあそこの婿もお姑さんも同じようなムジナぢゃなかろうなと あんたの値打も下がろうばい
それより
私は年ばかりとっても気のつかん事ぢゃった
実家の事を気遣う気持ちを察してやれないで済まんじゃった
といって 買い貯めてある砂糖1K 着なくなった服一枚持たせてやったらどろぼう嫁ぢゃあるまい
あんたの気持ち次第ぢゃがどうな
と話したそうな
お姑さんも親友の苦言に
そうぢゃ そうぢゃと丸くおさめたそうな
それから又幾年か過ぎて 嫁の実家は昔以上に栄えて 世間の人に
あちらの家も こちらの家もよい家ぢゃと羨ましがられるようになったそうな
めでたし めでたし
(西村の姉娘より聞いた話)

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